矢櫃(やびつ)港遺跡
長崎県対馬北端の鰐浦から約2km西へ行ったところに細長い入江がある。入江は狭く、奥ヘ進むと東西に細長い先出岩が横たわり、障害物となり入江に入った船の行く手を塞ぐ。先出岩の東端と向かいの東側の陸地の間は、船がやっと通過できるほどの厄介で狭い通路である。この地点を超えると右方向に鋭く屈曲し、さらに奥へ進むと、西側右岸には海底から築き上げられた石積みの岸壁が陸域に沿って入江の奥へと続いている。この岸壁には沖に向かって延びる水面下の石積遺構がある。この遺構は突堤あるいは干潮時の桟橋として利用の可能性がある。矢櫃については、対馬国界クラブ代表の大江正康氏による研究があり、今回は大江氏をはじめ地元の協力の下でウインディーネットワーク(杉本憲一)と共同研究を行うこととなった。
現地等深線図(ウインディーネットワーク作成)
調査A区での潜水測量作業
調査B区の石積概観
調査B区沖の海底遺物
調査C区の水中石積遺構