九州近海
- アンケート調査(2008 年7 月~8 月)
- 玄界灘海底探査
- 小値賀島前方湾海底遺跡調査(2009年8 月19 日~27日)
- 伊万里湾・松浦市福島町の調査(2009 年11 月21・22日)
アンケート調査(2008 年7 月~8 月)
2008 年7 月から8 月にかけて、日本財団の助成を得て、九州地域の水中文化遺産に関するアンケート調査を実施した。調査対象や調査方法、アンケート内容などは、選定部会を開催して検討を重ねた上で決定した。
調査はアンケート用紙と回答用の返信用封筒を郵送して行った。調査対象は、九州地域の363 団体である。内訳は各漁業協同組合(271 団体)、行政機関(53 団体)、ダイビングショップ(39 団体)である。漁業協同組合(以下、漁協)は九州地域のほとんどの組合を対象とし、JF 全漁連(全国漁業協同組合連合会)の御協力により、アンケート用紙にJF 全漁連の協力依頼文を添付して送付した。行政機関は特に中世以降に海上交通が盛んな海域、港湾都市として栄えた地域を宮武正登が選定して対象とした。さらにダイビングショップ等の潜水業者については、宮武正登と山本祐司が協議の上、エリア毎に調査対象を選び出した。
その結果、100 通(回収率27.5%)の回答があり、その内、情報提供があったのは24 通(全体の6.6%)である。調査対象別に見ると、行政機関の回答率58.5%、漁協の回答率24.0%、ダイビングショップ等の回答率は10.3%であった。
玄界灘海底探査
探査地点は北部九州福岡県糸島半島と長崎県壱岐島とのほぼ中間地点に位置する玄界灘烏帽子島周辺の海域である。調査はサイドスキャン・ソナーを使用して7 月23日から26 日まで行う予定であったが、北部九州を襲った集中豪雨を伴った嵐は調査日程や探査海域の変更を余儀なくされた。
小値賀島前方湾海底遺跡調査
調査期間は調査の準備日と撤収日を本調査の前後にそれぞれ1日とり、8月19 日~27日まで水中調査を小値賀島前方(まえがた) 湾で実施した。今回はこれまの目視調査ではなく以前に一度実施したことがある試掘調査を行った。前方湾海底調査では11 世紀後半から13 世紀前半の中国陶磁器が主に発見されている。これらの遺物以外に中国系あるいは国産の碇石さらに土師器類が含まれる。
伊万里湾・松浦市福島町の調査
2009 年度は、伊万里湾の海底遺跡調査の一環として、松浦市福島の海岸線に沿った箇所4地点を設定した。11 月21日は、午後4時頃が干潮の時間帯であり、干潮時にあわせて表面採取による調査を実施した。調査にあたっては事前に松浦市教委の幸田課長、中田補佐に日程と調査内容について連絡を入れた。また佐賀テレビ報道制作部の峰松輝文氏から取材の申し入れがあり、現地で対応することとした。